新喜劇タイムズ

吉本新喜劇についていろいろ考えるブログです。

『よしもと新喜劇お正月スペシャル』について考える

 吉本新喜劇では毎年12月に恒例の「よしもと新喜劇お正月スペシャル」が開催されます。

 しかし、近年のお正月スペシャルの動きをめぐって異変が起きています。新喜劇の内部で一体何が起きているのでしょうか。

 

 

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吉本興業/よしもとクリエイティブ・エージェンシー

 

 

 

 

 

今年(2017年)のお正月スペシャルについて

 今回のお正月スペシャルは、2014年の「西遊喜」以来3年ぶりに辻本茂雄座長がカムバックし、大盛況のうちに終了しました。

 

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よしもと新喜劇お正月スペシャルに3年ぶりの出演となった辻本茂雄座長。森田展義・アキ(水玉れっぷう隊)と共に登場し、「新ローテーショントーク」を披露した(画像は毎日放送(MBS)のサイトより)。

 

 

今回のお正月スペシャルの出演者は以下の通りとなりました。

 

【座長】

 内場勝則辻本茂雄、すっちー、酒井藍、川端泰史

【男性座員】

 池乃めだか島田一の介Mr.オクレ青野敏行、アキ(水玉れっぷう隊)、烏川耕一、西川忠志清水けんじ高井俊彦今別府直之、吉田裕、太田芳伸、佐藤太一郎、松浦真也森田展義信濃岳夫、清水啓之、新名徹郎、奥重敦史、諸見里大介

【女性座員】

 浅香あき恵、末成由美若井みどり、未知やすえ、山田花子島田珠代宇都宮まき前田真希、井上安世、金原早苗、森田まりこ前田まみ服部ひで子岡田直子、小寺真理、松浦景子

 

 

 この『よしもと新喜劇お正月スペシャル2018』は、なんばグランド花月のリニューアル工事などの影響に伴い、開催日が12月26日(火)とこれまでで最も遅い実施となりました。

 

今回はポスター・詳細な出演者に関する発表は当日まで無く、事実上のサプライズ発表となりました。それだけに、今回辻本座長が3年ぶりに出演されることに対するファンの期待は大きく、満足度は高かったことでしょう。

 

 

 この模様は毎日放送(MBS)にて、2018年1月3日(水)の午後2時30分から90分にわたって放送されますので、近畿広域圏の方は放送をお見逃しなく。

また、その他の地域でも順次遅れネットで放送する場合がありますので適宜番組表をチェックして下さいね。

 

 

 

 

 

 

お正月スペシャルから見える吉本興業の思惑

 今回のお正月スペシャルでは座長として唯一、小籔千豊さんは出演しませんでした。情報によれば、出演されていたドラマ「陸王」の打ち上げに参加されていたとのことです。

 

 

 全座長共演は2012年のお正月スペシャルの公演を最後に実現していません。今回も小籔さんの不在により、5年連続で全座長共演とはなりませんでした。

 

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よしもと新喜劇お正月スペシャル2011の公演に先立ち、記者会見する内場勝則辻本茂雄小籔千豊・川端泰史座長。中央は当時『トイレの神様』が大ヒットした歌手の植村花菜さん。

 

 

 2013年・2014年は小籔千豊座長が、2015年・2016年は辻本茂雄座長が不在となり不仲説が指摘される二人の間を中心に、新喜劇内部で分断が起きている状況が鮮明となりました*1

 

また、新喜劇メンバーのお正月スペシャルの出演においても、内部で差別化が起きているのではないかと指摘されています。

 

 

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 今回のお正月スペシャルに関しても、通常公演で内場さん・辻本さんの回に多く出演されているメンバーがほとんど出演しませんでした。そのため、新喜劇内部で依然として分断が続いている状況が垣間見えます。

 

 

 お正月スペシャルのキャスティングには、運営側の強い意向が反映される傾向があります。小籔座長以降の4座長を推したい運営側としては、内場さん・辻本さんの回に出演されているメンバーをお正月スペシャルで共演させないことで、4座長の回に出演されているメンバーに注目が集まるようにしたいのでしょう。

 

 

 一方で今回、お正月スペシャルに辻本座長が出演したことで運営側が辻本座長のファンに一定の配慮をしているように見えます。

 しかし、直前の12月22日(金)には「年末だよ!!吉本新喜劇特別公演!」と題して4座長公演が行われています。

 

 運営側としては4座長を推して世代交代を進めたいにもかかわらず、辻本座長の人気が依然として高いためプロモーションに苦労している様子がうかがえます。

 

 

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 吉本興業/よしもとクリエイティブ・エージェンシー

 

 

 内場さんは57歳、辻本さんは53歳と世代交代に伴う座長の入れ替わりの時期に差し掛かっていることは確かでしょう。しかし、それを「吉本興業が率先して行う」というのは間違っているのではないでしょうか。事務所からの圧力などが一切なく、本人の意志だけで行われるべきものではないでしょうか。

 

また、新喜劇メンバーとりわけ若手メンバーの間でもお正月スペシャルでの共演において分断が進みつつあります。吉本新喜劇の将来を担う若手メンバーにおいて早い段階から分断される状態が、新喜劇の未来のためになるのでしょうか。

 

状況が改善されることを祈ります。

 

 

 

 

 

お正月スペシャルに対する批判

 こうした出演メンバーに対する事案に加えて、お正月スペシャルのチケットの発売方法にも批判の声が上がっています。

下の表はこれまでのチケット料金の推移です。

 

 

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 2010年からの7年間で最大2,000円も値上がりしていることがわかります。さらに、このお正月スペシャルはチケットを発売するにあたって、出演者を一切発表しません。

 

 こうした発売方法が災いし、前回(2016年)の公演では「5,500円ものチケットを出しておきながら出演者が少ないのはどういうことなのか」「買わなくて正解だった」などとツイッター上を中心に批判の声が殺到しました。

 

今回は、チケット料金については据え置かれ、出演者が辻本さんを含めやや微増したこともあり、不満の声は聞かれませんでした。

 

一連のチケットの発売手法に関しては、「キャストをわざわざ発表しなくても売れる」という吉本興業の近年の新喜劇ブームに対する驕りの姿勢が垣間見えます。

それと同時に、キャストを発表してしまうと出演者によって売り上げが目に見える形で大きく変動することに対する吉本興業の恐怖心の表れともいえるでしょう。

 

 吉本興業には、こうした寄席興行はお客さんとの信頼関係で成り立っているという基本中の基本を忘れないでほしいと思います。

 

 

 

 

吉本新喜劇の明るい未来のために

 2017年は、酒井藍さんが”女性初”の座長に就任したり、内場勝則さん&辻本茂雄さんが通常公演では7年ぶりとなる共演を実現、さらに吉田裕さん・信濃岳夫さん・諸見里大介さんによるリーダー公演や数多くの新喜劇座員による単独イベントが実施されるなど、吉本新喜劇の盛り上がりはこれまで以上のものとなりました。

 

 2018年が新喜劇座員およびファンの皆様にとって、明るく平和で笑顔があふれる素敵な一年になりますこと、そして新喜劇座員一同が笑顔で揃って共演できるひと時が訪れますことを願っております。

 

 

   新喜劇タイムズの今年の記事については、今回が最後となります。記事のアップロードにつきましては、停滞していた時期が時折ありましたことをお詫び申し上げます。

 

 来年2018年につきましては、なるべくゆっくりとしたペースで吉本新喜劇についての”個人的な考え”を書いていくことが出来ればと思います。

 

 

 2018年も新喜劇タイムズを何卒よろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

おわりに

 

最後に、吉本新喜劇に関するデータを紹介します。

 

・新喜劇座員比率(性別)

 男性が依然として多いことがよく分かります。吉本新喜劇はまだまだ「男性社会」のようです。

 

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※2017年12月20日現在

 

 

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・新喜劇座員比率(世代別)

 30代が最も多く、10代~30代の若手座員を合わせると全体の約6割を占めます。吉本新喜劇はこうした若手座員の絶え間ない努力によって支えられているのです。

 

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※2017年12月20日現在

 

 

 

 

 

・金の卵オーディション出身者の比率

 今年新しく入団した金の卵第9個目が一番多いですね。来年には金の卵オーディション第10個目が行われる予定です。人数の比率は一体どう変わるのでしょうか。

 

 吉本新喜劇は若手座員が退団するケースが多いということは以前の記事でも言及しましたが、皆さんの活動が出来るだけ長く続く事を祈るばかりです…。

 

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※2017年12月20日現在

 

 

 

関連記事

*1:但し、2015年のお正月スペシャルに関しては連続テレビ小説『あさが来た』の撮影もあったため、スケジュール調整が難しかったのではないかとの指摘もある。