新喜劇タイムズ

吉本新喜劇についていろいろ考えるブログです。

「3座長公演」から見える様々な思惑を考える

 5月7日、ゴールデンウィーク最終日になんばグランド花月(NGK)で小籔千豊・川畑泰史・すっちーが中心となって行われる特別公演「3座長新喜劇特別公演 vol.3」が行われました。この記事では、今回で早くも3回目となったこの一連の公演を行う意味について独自に考えてみたいと思います。

 

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吉本興業/よしもとクリエイティブ・エージェンシー

 

 

 

「らしくない」がキーワード?プリクラデザインチラシを読み解く

 

 このタイトルに出てくるデザインのチラシというのは、今年1月の2回目公演の時に起用され、今回の公演のチラシでも使われています。目が大きく加工された3座長の写真を見てみると、あまりのおかしさに笑ってしまいます。

 

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 しかし、このプリクラデザインを起用したのには何か狙いがあるのではないでしょうか。2014年に掲載された日経トレンディネットの記事にはユーザー層が女子の中高生・大学生・OL層であることが序盤に書かれています。

trendy.nikkeibp.co.jp

 つまり、男性は年代を問わずユーザー層に含まれないという事になります。そんなユーザー層に含まれない40代のおじさん達がプリクラで写真を撮る、普通に考えるとほぼありえませんし、「らしくない」といえます。

 

しかし、この「らしくない」というのは何かと興味を引くものといえます。今の時代、ツイッターなどのSNSで写真が平気で拡散する事が当たり前になりました。このSNSのユーザー層そしてお笑いファンで割合が多いのは女性、特にプリクラのユーザー層と重なる部分があるのではないでしょうか。

 

 そうした人たちがちょっとした興味本位でこのプリクラデザインのチラシの画像を拡散する、そうすれば「ウケるww」「ヤバい!!」などの反応が起こる事が十分考えられます。こうした反応などが起こる事を想定して、このプリクラデザインを起用したのかもしれませんね。

  

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 こちらは第1回目公演の時のチラシ。今回のチラシと比べるとデザインは対照的である。

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”やりにくい人”が絡む分断の壁

 公演終了後、吉本新喜劇の公式ツイッターで以下の内容のツイートがされました。

twitter.com

 

 このツイートの中にある集合写真以外の3枚に注目して下さい。共通して同じ男性が映っているのが分かるでしょうか。この人は山田亮さん(43)という方で「金のひよこ」と呼ばれる、金の卵オーディション第1個目(2005年)が行われる少し前に作られた枠のメンバーの1人として活動しています。今別府さんや「横顔新幹線」でおなじみの伊賀健二さんもこのメンバーの1人です。

 

 実は、この山田さんはあの茂造の名物ギャグ「許してやったらどうや」のもとを作った人物だと言われています。

youtu.be

※再生回数は109万回を数え、人気の高さがうかがえる。

 

 山田さんはこの茂造シリーズを中心に約6年ほど出演してきました。しかし、2010年の最後に行われた「お正月スペシャル」を最後に舞台から姿を消してしまいます。この頃、山田さんのキャスティングを巡って小籔さんと辻本さんとの間で衝突があったと言われており、結果として後の「小籔×辻本不仲説」の要因の一つになってしまったのです。

 

 その後数年にわたる休養を経て昨年5月に小籔さんの回でNGKの舞台に復帰しました。後に同年8月には内場さんの回に出演しており、少しずつ出演回数を増やしています。さらに、今度の5月23日(火)から始まる川畑さんの回には山田さんが初登場する予定です。

 

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  この山田さんのキャスティングを巡る一連の衝突は小籔さんと辻本さんとの間に大きな壁を生んでしまいました。山田さん自身が諸悪の根源ではありませんから、山田さん自身に一切の非はありません。内部の問題であるとはいえ、長期間にわたって放置するのはやはり良くない事だと思います。極めて難しい問題だとは思いますが、双方の和解の時が訪れる事を願うばかりです。

 

 ちなみに、山田さんは2012年に「森田展義アワー」に出演しており、名物ギャグ「許してやったらどうや」の裏話などについて語っています。

youtu.be

 

 

世代交代を早く進めたい?

 

 今回、先程挙げたツイートの中で次回の開催は「未定」と書かれています。しかし、3座長の意向やファンからの要望、さらに運営部が3座長の活躍をさらに推し進めるために開催を決定するといった事になれば、4回目の公演が行われる可能性は否定できません。

 

 この一連の公演は、世代交代を早く進めたい吉本興業の思惑が隠れている気がしてなりません。現在、5座長の中で圧倒的な人気を誇るのはすっちーと辻本さんといえるではないでしょうか。ところがすっちーの人気はテレビなどのマスメディアで大きく取り上げられるのに対し、辻本さんはほとんど取り上げられることはありません。

 

 それは辻本さんの人気を何としてでも封じ込めたい吉本興業の思惑が隠れている気がします。今の辻本さんの人気ぶりを見てみると、3座長に軸を移したい吉本興業にとってはさぞかし憎い結果になっていることでしょう。

 

 ここ最近のすっちーの人気を悪く利用しようとしている、あるいは「小籔×辻本不仲説」に悪くつけ込んでいるのではないか、だとすればそれは良くありません。実際問題、吉本新喜劇ブームの中で若いファンの人たちが辻本さんやベテランのメンバーへ注目を集めていることは事実だと思います。そうした中で、辻本さんらを削いでまで世代交代を進めようとする姿勢には納得がいきません。

 

 全座長出演が基本の「お正月スペシャル」には2013年・2014年は小籔さんが、2015年・2016年は辻本さんが出演していません。これが世代交代の動きに関係があるのかどうかにも注目する必要がありそうです。

 

 

おわりに

 今回の公演の最後に、今年1月に募集した金の卵オーディション第9個目の合格者がお披露目されました。合格者は過去最多の17名となりました。このオーディションの話についてはまた時間をおいてから書こうと思いますが、なぜこれほど多くのメンバーを採用するに至ったのかなどについて分析する必要がありそうです。

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新喜劇初の外国人男性座員となったジャボリ・ジェフさん(42)。テコンドー歴14年・全米3位の実績を持つなど異色の経歴を持つ。

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