新喜劇タイムズ

吉本新喜劇についていろいろ考えるブログです。

新喜劇における新たな表現の在り方とは

 吉本新喜劇は来年(2019年)、旗揚げから60年の節目を迎えます。

 

吉本新喜劇はこれまでたくさんの座長によって、多種多様な舞台が繰り広げられてきました。

吉本新喜劇がこれからも続いていく為に、舞台における表現はこれから先どのように変わっていくべきなのでしょうか。

 

 

 

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新喜劇×ダンスの”エンターテイメント型新喜劇”

 吉本新喜劇は「漫才芝居」と呼ばれるように、漫才を概ね舞台にするような形で登場人物たちがとにかく滑稽な事ばかりを繰り広げるというものでこの流れは現在に至るまで続いています。

 

 

しかし最近の新喜劇では少しずつその内容に変化が生じてきています。

今から4年前の2014年、高井俊彦さんが『踊る新喜劇』というイベントを開催しました。これは新喜劇の舞台の中で本格的なダンスを披露するという当時としては非常に画期的な内容が取り入れられました。

このイベントは2014年に合わせて3回開催され、吉本新喜劇における新たな表現の領域を切り開く事になりました。 

 

 

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記念すべき第1回の『踊る新喜劇』のポスター。「SHINKIGEKI SIDE STORY」と名付けられたタイトルはアメリカのミュージカル『ウエスト・サイド物語』に由来している。加えてその『ウエスト・サイド物語』の「ウエスト・サイド」は高井俊彦自身がかつて所属していたダンスユニット『WEST SIDE』の名前でもあり、一種の言葉遊びになっている。

 

 

その後、こうした形での新喜劇の舞台活動は一旦沈静化する事になります。

 

しかし翌2015年になって、新喜劇×ダンスという新たな表現を備えた舞台は別の形で再び動き出す事になります。それは、お笑いコンビ『水玉れっぷう隊』のメンバーとしても活躍するアキさんの吉本新喜劇への入団です。

 

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「いいよぉ~」や「そういう時期でしょ」などのギャグで知られるアキさんは入団直後から辻本茂雄座長の舞台に出演しその人気を得ましたが、同時にアキさん自身が主役となってプロデュースする舞台『Joy!Joy!エンタメ新喜劇』を開催するようになりました。

 

この舞台の魅力は、何といってもキレキレなダンスの数々。アキさん自身によるものに加え、他のダンサーたちが繰り広げるパフォーマンスは圧巻です。

 

『Joy!Joy!エンタメ新喜劇』は2015年11月になんばグランド花月で初公演を行って以来なんばグランド花月で合わせて7回開催され*1、幅広い世代に愛される人気イベントへと成長しています。 

 

「新喜劇×ダンス」というこれまでになかった新しい組み合わせが多くの観客を魅了し、その心に響いたのです。

 

 

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チアリーダーのちあきやスパッツおじさんなどのキャラクターも登場する『Joy!Joy!エンタメ新喜劇』。新喜劇×ダンスというこれまでにない斬新な組み合わせは、多くの人々の関心を呼んでいる。

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吉本新喜劇における歌

 吉本新喜劇では「歌ネタ」と呼ばれる、歌を使ったギャグの一種が劇中で披露される事があります。しかしその時間は長くてもせいぜい数十秒程度で、数分にも及ぶ本格的なものではありません。

 

ただ2016年7月に行われた『松浦真也吉本新喜劇2026』では一部の出演者が”歌手”として登場し、劇中で本格的に歌を歌うという試みがなされています。

 

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もし吉本新喜劇の舞台の中で本格的な歌唱シーンを入れるとした場合、一体どれくらいの長さが適当なのでしょうか。

 

 

アメリカのニュースサイト『VOX』に2015年に掲載された記事によると、ヒット・ソングの長さは概ね3~5分程度であるというデータが明らかになっています。 

 

 

 

また新喜劇タイムズが参考として、映画『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)で使われる歌の入った楽曲が映画の上映時間のうちどれくらいの比率を占めるのか調べてみたところ、上映時間174分に対して使われた歌入りの楽曲は19曲、時間は約43分、率にして24.7%という結果が出ました。

 

吉本新喜劇の舞台は概ね45~50分程度の時間で上演されるので、先程出た比率の数値を当てはめてみると11あるいは12分ということになります。 

 

これを踏まえると吉本新喜劇の舞台の中で本格的な歌唱シーンを入れるとした場合、内容など様々な事柄を総合すると、最長で10分程度が妥当といえます。1曲の長さが3分とすると3曲が、5分とすると2曲が入る計算になります。

 

本格的な歌唱シーンを入れるとなれば、座長は内容に合う曲をどれにするか・どのタイミングで流すか・誰が歌うのかを決める作業が新たに加わってきます。さらに、もしオリジナル曲を使うとなった場合は先程挙げた作業に加えて、作詞作曲も行うという非常に難易度の高い作業をこなさなければいけません。

 

 

60年の歴史において前例のない吉本新喜劇の新たな形。果たして、これを物にする座長は現れるのでしょうか。

 

 

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”違う姿”を見せること

 吉本新喜劇では過去に『エクスタシー大阪』という曲を1996年にリリースしており、当時ニューリーダーとして活躍していた内場勝則座長・辻本茂雄座長・石田靖さんのほか、スター座員による歌声を聞く事が出来ます。

 

特に内場勝則座長・辻本茂雄座長の歌唱力のレベルの高さはファンの間で広く認知されており、語り草の一つになっています。

 

 

ただ最近は、歌などの他分野での活動をする機会がほとんど無い為、こうした”これまでと違う姿”が公になる事はほとんどありません。一方で人々の趣向は変化を続けており、これまでのコテコテを前面に押し出す方法一辺倒では今後の状況によっては集客に影響が出る可能性があります。

 

そうならない為にもこれまでの方法に加えて、吉本新喜劇における新たな分野の開拓を積極的に推進し、若手座員たちの新たな魅力を引き出し、現在に至るまで長く浸透してきたイメージを変えていく必要があるのではないでしょうか。

 

吉本新喜劇がこれからも続いていく為にはどうすれば良いのか。新たな表現の模索は続きます。

 

 

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*1:昨年(2017年)4月には、東京・新宿のルミネtheよしもとで初となる東京公演を行っています。

若手座員達の今後在るべき姿とは

 吉本新喜劇の舞台を通して、日々技術を磨き上げていく若手座員たち。

 

吉本新喜劇がそれぞれの劇場で毎日無事公演されているのも、この若手座員たちがいるからという側面も忘れてはいけないと思います。

 

そんな若手座員たちの姿は、今後どう在るべきなのでしょうか。

 

 

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”スター座員休演”の衝撃

 今年4月12日(木)、吉田裕さんが前日の11日に肝膿瘍の手術を受け入院していた事がインターネットメディアなどによって明らかになりました。「吉本新喜劇全国ツアー2018」がスタートしてから4週間後のことでした。

 

手術翌日の4月12日から約1ヶ月にわたって入院した吉田裕さん。全国ツアーにも出演していたため、出演者たちの対応が注目された。

 

 

裕さんがこうした形で休演するのは今回が初めて。「吉本新喜劇全国ツアー2018」の出演者は突然の出来事に対応を迫られました。

 

その後、裕さんの休演後初めて行われた4月21日(土)の「吉本新喜劇全国ツアー2018」沖縄公演からは出演者を新たに1名追加し、裕さんの代役を同じ金の卵1個目の太田芳伸さん(写真中央の男性)が務める形で公演を継続。

復帰後初の舞台となった6月1日(金)の和歌山公演からは太田さんと共に”W乳首ドリル”を披露する流れとなりました。

 

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 この出来事について全国ツアー終了後の6月16日(土)にMBSでオンエアされた『よしもと新喜劇』では、「吉田裕の不在をも笑いに変えてしまう吉本新喜劇のメンバー達」とのナレーションが密着取材VTRの中で流れ、その対応を賞賛しています。

 

 

しかし、今回のようなケースは他の新喜劇座員においても十分起こり得る話です。果たして今回と同じような事が再び起こった時に、事の経過は全て”美談”として処理されてしまうのか。この点については少し疑問に感じます。 

 

 

 

 

 

若手座員の仕事は?

 いざ人気者となれば膨大な数の公演に出演する事になる吉本新喜劇の若手座員ですが、そんな彼らの仕事には一体どんなものがあるのでしょうか。

仕事内容について簡単に挙げてみると次の通りになります。

 

 

 実は意外にもこれほど多くの量の仕事を若手座員たちはこなしているのです。特に近年は奈良健康ランド新喜劇やよしもと漫才劇場で公演される『極新喜劇』など若手座員が活躍する為の場が拡充されましたが、その分仕事量も増加する傾向にあります。

 

 

こうした状況の中で若手座員たちの健康面は問題にならないのでしょうか。現在吉本新喜劇座員の健康面やスケジュールを管理する為のマネージャーは少なく、マネージャー一人に対し複数の座員のスケジュール管理などを背負っているということが珍しくありません。

 

 

今回と同じような事態が起きた時に、ふさわしい代役を即座に充てるなど迅速な対応が果たして出来るのか。若手座員たちのこれからの活躍のためにも、座員たちの仕事面そして彼らを支えるバックヤード双方の面において改善を図る必要があるのではないでしょうか。

 

 

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若手座員たちの努力の歴史

 吉本新喜劇では2005年の金の卵オーディション第1個目を皮切りに、新たな若手座員を募集する際は原則オーディションによる選考を行っています。 

 

 

 

オーディションによって選ばれたメンバーは入団して数ヶ月後、「金の卵ライブ」と呼ばれるいわばお披露目公演を行います。しかし運営側から積極的に活躍する為の場を与えられたとはいえ、注目される事がほとんど無いなどその道のりは大変険しいものでした。

 

 

そんな状況の中で転機が訪れたのは今から6年前の2012年のことでした。 

吉本興業はこの年に創業100周年を迎え、これを機に様々なプロジェクトが行われるようになりました。

 

その一環として行われるようになったのが『吉本新喜劇202◯』と呼ばれるイベントです。これはイベントが開催される年から10年後の吉本新喜劇がさらに盛り上がる事を願って、若手座員たちによる新喜劇を行うというものです。

このイベントは2012年に行われた夜公演『なんばグランド花月2022』から始まりました。

 

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その後は年が変わる毎に『吉本新喜劇2023』『吉本新喜劇2024』とタイトルを変えて公演が続けられましたが、この時はまだ本公演とほぼ同じ形態で行われていました。

 

2015年には『吉本新喜劇2025』として単独イベントに昇格。翌2016年に行われた『吉本新喜劇2026』では各リーダーによる新喜劇の中で一番観客が多かったのは誰かを決めるトーナメント形式の公演を行うなど、休止期間を挟みながら今年(2018年)の『吉本新喜劇2028』に至るまで若手座員たちによる様々な公演を行っています。

 

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2013年に行われた『吉本新喜劇2023』。この時はまだ本公演とほぼ同じ形態で公演されていた。

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吉本新喜劇2028』のチラシ。かつて行われた『吉本新喜劇2025』では新喜劇の終了後にミニコーナーが設けられていたが、現在はエンドトークを実施するのみとなっている。

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このようにたくさんのイベントを通して時間をかけながらスキルを磨き上げてきた新喜劇の若手座員たち。大々的に宣伝される事があまりないので、こうしたイベントの存在を知らないという方も多いと思います。

若手座員たちによる公演は今後も随時行われますので、是非興味を持っていただければと思います。 

 

 

 

 

 

 

少子化が進む中で…。

 現在、オーディションを経て入団される方のほとんどが20代あるいは30代という吉本新喜劇。急速に少子化が進む中で今後一定数の座員を確保できるのか、吉本新喜劇の存続に関わる重要な問題として議論しなければならなくなる日はそう遠くはありません。

 

日本の芸能産業は今後少子化に伴って国内市場が縮小し、その有り様も大きく変化するのではないかといわれています。

 

 

注目される事がなかなか無い若手座員たちが、吉本新喜劇の舞台を滞りなく行う上でどれほど重要な存在であるか。公演を鑑賞する中で一人でも多くの方に感じてもらいたいと思います。

 

 

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*1:奈良健康ランドは1987年(昭和62年)にオープンし、吉本新喜劇の舞台は2012年(平成24年)から行われています。

吉本新喜劇の座長の役割について考える

 吉本新喜劇には現在6人の座長がいます。しかし、座長の仕事が一体どういうものなのかを知る人はあまり多くないと思います。

 

この記事ではその座長の仕事についての紹介も含め、これからの吉本新喜劇における座長の在り方について考えてみたいと思います。

 

 

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”舞台を司るプロデューサー”

 吉本新喜劇の座長は舞台に主役として登場し、観客を笑顔にする事だけが仕事ではありません。

まずは下の図をご覧下さい。

 

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これは吉本新喜劇が出来るまでの大まかな流れを示したものです。

座長はまず、作家いわゆる脚本家と話し合いながら次回行われる自身の新喜劇の台本を作っていきます。この台本を作成する過程の中で演出や配役を決めていきます。続けて作家に加えて演出家・制作進行・マネージャーを交えた『制作』と呼ばれるスタッフ達と共に、作成した台本の中身を詰めていきます*1

この時、作成した台本が公演を行う劇場にある舞台装置で出来るかどうかを美術家・舞台監督・大道具が判断します。これは劇場毎にステージの大きさや照明の位置などが異なる為、セットの構図やライティングを考える中で場合によっては台本を練り直さないといけない可能性も出てくるからです。

 

また座長は台本の中身を詰めていく中で、座員のスケジュール確認も行います。

これは出演者が座長自身と同じ期間に行う他の劇場での新喜劇や地方公演と被っていないか、出演できる場合でも公演期間中に途中で他のイベントへの出席やテレビ番組への出演など何らかの理由で休演せざるを得なくなった際にその出演者の代役を立てるのかどうか、代役を立てる場合は誰を起用するのかなどについて速やかに話し合えるようにする為に、マネージャーを通して他の座員の動きを把握しておく必要があるからです。

 

こうした綿密な打ち合わせを通して、公演初日の約2週間前~10日前をめどに仮の台本が完成します。その後、座長は約1週間前に再び『制作』のスタッフと集まって公演の最終確認を行います。この最終確認を通して出来上がった台本は初日の約3日前に出演者が受け取ります*2

 

 

座長の仕事はまだまだ続きます。

座長・出演者はその受け取った台本を持って、公演初日の前夜に稽古場に集まりリハーサルを行います。

そのリハーサルでは台本の流れと台詞を把握する『本読み』・出演者の動きを付けながら本読みをする『立ち稽古』・本番と同じセットで演出を加えながら全体の流れを確認する『舞台リハーサル』を行います。驚くことにこの3つの過程を前日の夜から深夜までのわずか数時間でこなしてしまうのです。

 

座長はこの前日リハーサルの中で出演者に対して、動きや台詞についての細かい指示を適宜出していきます。稽古において出演者とのコミュニケーションを通して座員と信頼関係を築いていくのも大事なのです。

 

そして公演初日の朝に出演者全員が一つの楽屋に集まって台本や動きについての最終チェックを行い、いよいよ本番を迎えます。

 

座長・出演者は公演毎に出た反省点を見つけ出し、公演後の空き時間などを使って修正していきます。この過程を楽日(らくび)つまり最終日まで繰り返していきます*3

なお、なんばグランド花月での新喜劇は原則土曜日にテレビカメラによる収録を行います。前日すなわち金曜日にはその収録の為のリハーサルを新たに行います。

 

 

 

このように吉本新喜劇の座長は脚本・演出・衣装・配役など、いわば舞台を司るプロデューサーとしての役割を担っているのです。その仕事量は各メディアに引っ張りだこの人気俳優とそう大差ないと言っていいと思います。

 

吉本新喜劇の座長には、実力はもちろんこうした裏方の仕事を務められる器量、さらに座員との幅広い信頼関係などあらゆる要素を兼ね備えた人だけがなれるものなのです。

 

 

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とある稽古風景。前日リハーサルは作家・演出家を交えて行う。大人数で行うものや少人数で行うものまで、公演毎に行われる稽古の様子は様々である。

 

 

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出演者は公演初日の朝、楽屋に集まり台本の最終チェックを行う。

 

 

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本番直前や公演終了後の空き時間に次の本番に向けて反省点を踏まえ修正を加えていく。もちろん座長となれば、その量は格段に多い。

 

 

 

 

ところで、吉本新喜劇を見ていると同じ座長の回に同じ出演者が必ずと言っていいほど登場しているということがあります。

その人達はいわば「座長の専属座員」であり、内場座長回に登場する安尾信乃助さん・高井俊彦さん・中田はじめさんや辻本座長回に登場するアキさんや森田展義さんなど十数名、すっちー座長回に登場する清水けんじさんや信濃岳夫さんなどがその例です。

 

こうした人達は「座組」と呼ばれ、座長が出演者をキャスティングするにあたって優先的な地位を持っているものと考えられます。ただその縛りは厳格なものであるとまではいえず、最近では各座長の専属座員が他の座長回に出演するケースもよく見られ座員同士の新たな交流が活発化しています。

また2018年現在、その専属座員の他の座長回への出演によって座長同士の間で問題が発生したという事例はなく、座長と座員の人間関係は新たな発展の段階を迎えているようです。

 

 

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信濃岳夫さんのリーダー週に出演する安尾信乃助さん・高井俊彦さん・中田はじめさん。3人とも元々は内場勝則座長の専属座員である。

 

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吉本新喜劇伊賀健二さん。現在は様々な座長回に出演しているが、かつては辻本茂雄座長の専属座員だった。今年(2018年)2月になんばグランド花月で行われた夜公演の中で辻本座長回からの”卒業宣言”を発表し、ファンの間で話題となった。 

 

 

 

 

 

 

かつての座長の位置付けは?

 ここまで現在における吉本新喜劇の座長の仕事について紹介してきましたが、かつての吉本新喜劇における座長の役割はどのようなものだったのでしょうか。 

かつての吉本新喜劇の運営体制についてウィキペディアにこのような記述があります。 

 

 

かつては大阪と京都に3つの吉本直営の演芸劇場(大阪に「なんば花月」と「うめだ花月」、京都に「京都花月」)があり、劇座員を3つの組に振り分ける3チーム体制となっていて、それぞれ10日単位(月上旬を上席、中旬を中席、下旬を下席と呼んでいた)で各チームが各劇場に出演し、ひと月で全劇場を回るローテーション制(京都→うめだ→なんばの順で移動する)を繰り返していた。現在活躍中のベテラン座員はほとんどがこの3ヶ所のいずれかで初舞台を踏んでいる。  

吉本新喜劇 - Wikipedia 

 

 

分かりやすくする為に、全体の座員の数を15人にして説明しましょう。

まずA・B・Cの3つのチームがあるとします。それぞれのチームに座長がいる訳ですから、残りは12人となりその12人をそれぞれのチームに振り分けます。そして振り分けられた3チームで3つの劇場を1ヶ月で回りきるということです。

例えばAチームが最初の10日間つまり上席にうめだ花月の舞台に出演するとします(図1)。

 

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3チーム制時代の新喜劇(図1)

 

するとAチームは次の10日間である中席は京都花月かなんば花月のどちらかに出演するということになります。

そしてAチームが中席に京都花月の舞台に出演したとすると(図2)、Aチームは最後の10日間である下席はなんば花月の舞台に出演するということになります(図3)。 

 

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3チーム制時代の新喜劇(図2)

 

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3チーム制時代の新喜劇(図3)

 

このようにかつての吉本新喜劇は同じメンバーが同じ座長の下で各劇場を回る、つまりそれぞれの一座同士で公演を行うという体制で当時の座長はまさにその言葉通り一座の長とも呼べる存在だったのです。

 

そのため座長と座員の関係は現在ほど柔軟なものではない、いわば師弟関係にあったためその上下関係は現在よりも厳しいものだったといわれています。

 

 

一方で座長と作家の関係はどのようなものだったのでしょうか。

序盤の方でも述べたように現在、座長は作家と話し合いながら台本を作っていきます。しかし、かつては作家が事前に作った台本を座長を含め出演者全員でそのまま公演するというものでした。つまり座長は台本制作に携わる事はなく「座員<座長<作家」という力関係ができ固定化されていたのです。 

 

 

その後、この3チーム制の運営体制は1987(昭和62)年の京都花月閉館・翌1988(昭和63)年のなんば花月閉館により崩壊し、後のやめよっカナ!?キャンペーンの実施・運営体制の再構築を通して現在の座長体制が完成する事になります。

 

 

 

 

座長の理想像はどう在るべきか

吉本新喜劇の座長は今後どう在るべきなのでしょうか。

 

 

吉本新喜劇の座長の活動は近年、多様化の様相を呈しています。

内場勝則座長においては昨年(2017年)から舞台やテレビドラマへの出演が増加し、「俳優」としてその活動の幅を広げつつあります。しかしこの状況は、同時に「吉本新喜劇座長」としてなんばグランド花月などの劇場の舞台に立つ機会が減少する事を意味する為、ファンからは「遠い存在に感じる」「少し寂しい」といった声が出ています。

 

また全国区で「タレント」として活躍する小籔千豊座長は、バラエティー番組への出演を通してその人気を得ていますが、「吉本新喜劇座長」として劇場の舞台に立つ回数が少ないことから、新喜劇ファンの非難の的にされる事も少なくありません。

 

 

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昨年(2017年)から舞台やテレビドラマへの出演でその活動の幅を広げている内場勝則座長。新喜劇座員にとっての新たな活動の道が開けるのは良い事なのだが…。

 

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東京を拠点に全国区でタレントとしての人気を集める小籔千豊(右)。「タレント」としての実力は上出来でも、「吉本新喜劇座長」としての実力はどうだろうか。

 

 

他の4座長においても例外ではありません。すっちー座長は関西ローカルのテレビ番組でレギュラーを持っていますし、藍ちゃん・川畑座長・辻本座長においてもテレビ番組にゲストとして時折出演しているケースが見受けられます。

 

以前の吉本坂46結成についての記事の中でも述べたように、吉本新喜劇座員のアイデンティティーは今後の活動環境の変化に伴って大きく揺れ動く可能性があります。 

 

 

「一途に吉本新喜劇の舞台に全力で励む」という理想像が変わろうとしている中で、吉本新喜劇の座長の姿はこれから先どうあるべきなのか。模索の動きは今も続いています。

 

 

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現在リーダー週を行っている4人の座員(左から清水けんじ、吉田裕、信濃岳夫、諸見里大介)。彼らは未来における吉本新喜劇の座長の在り方を変える存在となるのだろうか。

*1:但し、演出は作家が兼ねる場合が多い。

*2:お留守番日記4 - 浅香あき恵「あき恵ちゃんのチョベリグ日記」 - Yahoo!ブログ

*3:次週の月曜日が基本的な楽日。但し次の公演が小籔座長週の場合は、次週の火曜日が楽日。

清水けんじの座長就任について考える vol.2

※この記事は2017年5月1日に公開したものを基に再構成しています。

 

 

 8月29日に京都・よしもと祇園花月吉本新喜劇清水けんじさん(以下、しみけんさんと表記)がリーダーとなって公演する通算17回目*1の「しみけんの絶対座長になりたいんや!!」が行われます。今回はこのイベントに関連して、しみけんさんの座長就任についていろいろと考えてみたいと思います。

 

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 始まりはすっちーとの共演から

   この「しみけんの絶対座長になりたいんや!!」はもともと2013年10月に、当時副座長だったすっちーとの共演イベント『しみけん、すっちーの新喜劇60 ~座長に・・・なりたいんや!~』からスタートしました。このイベントはかつて、すっちーと共に座長就任を目指すという趣旨で行われていたのです。

 

 

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「しみけん、すっちーの新喜劇60」時代の記念すべき1回目の公演のポスター。清水けんじの座長就任への歴史はここから始まった。

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その後2014年の2月と4月にも公演が行われ、双方共に着実にステップアップしていきました。しかし結果として同年6月にすっちーが先に座長に就任し、しみけんさんの座長就任はかないませんでした。

 

ただしみけんさんは現在多くのファンの注目を集めていますが、2014年当時は現在ほど人気が高い訳ではありませんでした。そのため、すっちーが先に座長に就任するのはある意味自然な流れだったといえます。

 

 

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すっちーが副座長として最後の公演となった3回目のポスター。この時点で、すっちーの座長就任は決定していた。*2

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その後すっちーの座長就任を機に「しみけん、すっちーの新喜劇60」は「しみけんの座長になりたいんや!!」に名を変え、しみけんさんがリーダーを務める形で公演が続けられました。また2017年8月に行われた公演ではすっちーが”サプライズゲスト”として登場し、二人の共演が復活しました。

 

2014年

 8月7日(木)、11月14日(金)

2015年

 1月16日(金)、3月20日(金・祝)、7月17日(金)、10月29日(木)

2016年

 2月26日(金)(この公演を最後に、すっちーとの共演は一旦終了)、4月27日(水)、9月14日(水)、12月9日(金) 《よしもと祇園花月で公演》

2017年

 4月21日(金)、8月19日(土) 《よしもと祇園花月で公演》※すっちーとの共演が復活、11月25日(土)《 〃 》

2018年

 8月29日(水)《よしもと祇園花月にて公演予定》

 

 

 

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すっちーとの共演復活第1弾となった2017年8月の「しみけんの絶対座長になりたいんや!!」。出演者は主役である清水けんじを除いて伏せられていたため、会場は騒然となった。

 

 

 

 

 

しかし現在も座長就任には至っておらず 、その上若手座員たちの活躍も著しくなってきており、ベテランと若手座員たちの間で板挟みの状態になっているといえます。しみけんさん自身がどのように考えているかは分かりませんが、できるだけ早い段階で座長に就きたいと思っていることに変わりはないとみられます。

 

 

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1999年からの現在の体制下では新喜劇初の女性座長となった人気座員の酒井藍。昨年(2017年)の7月に就任して以来、座長としてのキャリアを着実に積み重ねている。

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リーダー週の復活、そして新たな活躍の場 

 今年(2018年)は、しみけんさんの座長就任という目標に向けた動きの中で大きな出来事がありました。

 

 1つ目はリーダー週の復活です。

以前に吉本新喜劇全国ツアー2018についての記事の中で軽く触れましたが、実に約4年ぶり*3となるリーダー週が復活したのです。

 

これまでに合計5回もリーダー週を務めているほか、8月23日現在で新たに2回もリーダー週を行うことが決定しています。

 

・2018年4月17日(火)~22日(日):よしもと祇園花月

・2018年4月23日(月)~5月7日(月):よしもと西梅田劇場

・2018年5月8日(火)~14日(月):なんばグランド花月

・2018年5月29日(火)~6月4日(月):よしもと西梅田劇場

・2018年7月10日(火)~16日(月・祝):よしもと祇園花月

 

《予定》

・2018年9月11日(火)~17日(月・祝):よしもと祇園花月

・2018年10月2日(火)~8日(月・祝):    〃

 

 

 

 これはしみけんさんが座長にふさわしいかどうかについて観客に評価してもらう機会を再び運営側から与えられたのはもちろんのこと、運営側による「しみけんさんの実力は新座長を選ぶにあたっての基準に達している」という判断を改めて内外に示した事を意味しているものと思われます。

 

 

 

 2つ目は辻本茂雄座長と共演する機会が再び増加傾向にあるという事です。これがなぜ、しみけんさんの座長就任に向けた動きと関係があるのでしょうか。

 

 

これまで、しみけんさんと辻本座長は本公演において共演する事は皆無に等しく、共演するとしても年末に行われる「お正月スペシャル」でしかその光景を見る事は出来ませんでした。 

しかしここ最近、新喜劇の全国ツアーをきっかけに二人の共演する機会が再び増加傾向にあるのです。下は今年に入ってから現在に至るまでのしみけんさんの出演履歴です。(しみけんさん自身のリーダー週は除く)

 

 

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なお7月31日(火)~8月6日(月)は夜公演『辻本茂雄31周年特別公演』にも出演している。

 

 

なんとこの8ヶ月の間に6回も辻本座長と共演しているのです。この一連の動きにはどのような理由が考えられるのでしょうか。

 

 

本公演を行う為のキャスティングをする権利は原則座長にあります。これまでしみけんさんはすっちー座長の回を中心にいわゆる”4座長”の回に出演することが多く、出演する座長回が固定化される現状がありました。

しかしそうした環境の中で辻本座長から出演のオファーをもらうというのは、辻本座長がしみけんさんの実力を心から認めているという事、しみけんさんの座長就任に向けて応援の意味を込めて新たな活躍の機会を与えるという事、以上2つの理由が考えられるのです。

 

これらの変化が、しみけんさんの座長就任にどのような影響を与えるのか。今後の動向が注目されます。

 

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新キャラが登場!あなたはどう思う?

 ところで昨年4月になんばグランド花月で行われた「しみけんの絶対座長になりたいんや!!」 から登場した新しいキャラクターがいるのをご存じでしょうか。

 

「おしみさん」というおばあさんのキャラクターで年齢は桑原和男師匠と同じ82歳、好物は固めのグミだそうです。最近では『よしもと新喜劇』のエンディングにこの「おしみさん」が登場するミニコーナーが放送されています。(下記のツイートを参照)

 

 

 

吉本新喜劇では近年、辻本座長の「茂造シリーズ」やすっちー座長の「すち子」のようにいわゆる”キャラクターもの”が注目される傾向にあります。

理由として、かつての子供たちはテレビを通して新喜劇を楽しむ場合が多かったのに対し、現在では親と一緒に劇場へ足を運ぶことが珍しくないという、吉本新喜劇における子供たちの存在がこれまで以上に無視できないほどの影響力を持つようになった事が関係していると考えられます。

 

先ほど取り上げたこの「おしみさん」も一連の”キャラクターもの”が注目される流れに乗るために編み出されたキャラクターなのでしょう。

 

こうした”キャラクターもの”は容姿や性格に特徴があるため目立ちやすく印象に残る上、名前も単純なため簡単に覚えてもらいやすいというメリットがあります。特に、子供たちに対してはより効果的な方法といえるでしょう。

 

しかしその分、そのキャラクターを演じる座員が別の姿で、例えばすっちー座長であれば「すち子」ではなく男役で舞台に出て来たりすると、「すち子」を演じている本人であるにも関わらず観客がその事に気付かず、混乱してしまうなどのデメリットもあります。 

 

実際、「おしみさん」をめぐっては『男役のしみけんさんの方が好き』とか『色んなしみけんさんを見てみたい』といったファンの声が多くあるのも事実です。

 

一方これまで5回行ってきたリーダー週のうち男役としての出演が1回、残りの4回は「おしみさん」としての出演となっており、「おしみさん」を何としてでも広めたいというしみけんさんの強い意志が表れているのも事実です。 

 

 

・2018年4月17日(火)~22日(日):『しみけんの父親行きのチケット』

・2018年4月23日(月)~5月7日(月):『おしみ婆さんの家政婦日記』

・2018年5月8日(火)~14日(月):『おしみ先生、15年目の卒業式』

・2018年5月29日(火)~6月4日(月):『おしみ婆さんの運命のいたずらは突然に!』

・2018年7月10日(火)~16日(月・祝):『おしみばあさんの結婚式場、大波乱の一日』 

 

 

しみけんさんの新キャラをめぐる現状について、皆さんはどう思いますか? 

 

 

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想定される座長就任のタイミングは?

  では今想定される座長就任のタイミングは一体いつになるのでしょうか。

吉本新喜劇の座長は内場さん・辻本さん以前に現在分かっているだけで10人程経験者がいることが確認されています*4。座長退任の時期についてはデータが残っていない為、詳細については分かっていません。ただ座長経験者のほとんどが、40代後半~50代の時に退団されています。

下の表は座長を卒業された方も含めた、歴代座長についての表です。

 

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現在、最年長座長である内場勝則さんは今年(2018年)の8月で58歳となりました。時期的に座長引退が囁かれてもおかしくはありませんが、そういった雰囲気は感じられません。 ただ、昨年2月には出演した映画『天使のいる図書館』が公開され、3月にはサスペンスドラマ*5、10月から半年間にわたってNHKの朝の連続テレビ小説わろてんか』に出演、さらに現在放送中のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』に石橋五郎 役で出演するなど、”俳優”としての活動が増加しています。

 

 

最近の俳優としての活動を考えると、今後の活動に関して幅を広げようとしているものとみられます。時間の問題だと思いますが、近く数年以内をめどに座長を引退する可能性は十分考えられると思います。そして、内場さんの後を引き継ぐ形でしみけんさんが座長に就くというパターンになるのが自然な流れといえると思います。

 

  

 もう一つ考えられるのが、小籔千豊さんが座長を引退した後に内場さんが引退するパターンです。小籔さんは現在東京に拠点に移して「タレント」として数多くのテレビ番組に出演しています。東京の番組の性質上、新喜劇に関してあまり取り上げられないせいもあるかもしれませんが、「吉本新喜劇座長」としてテレビ出演することはほとんどありません。

 

小籔さんに関しては東京吉本へ移籍して7年が経過しており、東京で活動する中で吉本新喜劇に対する意識はこの間に何らかの変化が生じているものと思われます。

最近では新喜劇のメンバーで構成されるバンド「吉本新喜劇ィズ」*6を立ち上げたり、東京での座長公演を行ったりしていますが、これらの活動が、直ちに新喜劇の発展に良い影響を与えているとは思えません。

 

 

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現在58歳と最年長座長である内場勝則。俳優としての活動が増えていく中で、自らの座長の地位をどうするのか。今後の動向が注目される。

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2011年に東京吉本へ移籍して以来、東京を拠点にバラエティー番組への出演を中心に活動している小籔千豊。近年の吉本新喜劇に対する発言などから、「新喜劇に優先して出演すべきだ」などと批判の声も多い。

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東京での吉本新喜劇ブームの広がりは、むしろ後輩であるすっちーさんなどによる影響が大きいといえると思います。また、昨年2月に行われたラジオ番組の公開収録のイベントでは「新喜劇を2回辞めたいと思った」という趣旨の発言をしています*7

 

小籔さんが座長を引退すると、座長は4人になりますが先程も述べたように内場さんに関しては、今後数年以内に座長を引退する可能性が考えられます。4人体制のままで内場さんが座長を引退してしまうと3人体制となり、通常公演に加えて地方公演などもありますからローテーションにかなり影響が出てしまう恐れがあります。

 

そこで、小籔さんの後を引き継ぐ形でしみけんさんが座長になり内場さんが座長を引退した後、そのポジションに移る形で公演を続けるという事になる可能性も考えられるのです。

 

 

 

 

 

おわりに

 清水けんじさんは今年(2018年)の7月で43歳となりました。現在いる6人の座長で就任時の年齢が一番高いのはすっちー座長の42歳*8です。この42歳を超えての座長就任があるかどうかについて、まずは注目する必要がありそうです。

 

そして、来たる8月29日(水)によしもと祇園花月で行われる「しみけんの絶対座長になりたいんや!!」に「おしみさん」なのか、それとも男役で登場するのか。その本番の日は少しずつ近づいてきています。

 

  しみけんさんが座長になれば、これまでのスタイルと違う新しい新喜劇によって新たなファンが生まれ、昔の新喜劇の方が好きだったという方にも幅広く親しんでもらえる良いきっかけになると思います。

 

 

新喜劇タイムズはしみけんさんの座長就任という夢に向かって、これからも応援し続けます。

 

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*1:「しみけん、すっちーの新喜劇60」時代のイベントもこの回数に含んでいます。

*2:毎日放送痛快!明石家電視台』〈2016年5月2日放送分〉内でのすっちーの発言より。

*3:2014年5月によしもと祇園花月にて公演を行って以来。祇園花月吉本新喜劇|吉本新喜劇オフィシャルサイト《過去の公演についてのアーカイブ

*4:但し、正確な人数の把握はデータの不足と共に難しいのが現状です。

*5:みなと署落とし物係 秘密捜査官危険な二人|TBSテレビ:月曜名作劇場

*6:シークレットメンバーとして、人気バンド『チャットモンチー』の福岡晃子さんがベースを担当。

*7:SCANDAL、ラジオ番組公開収録で小籔千豊と“カメラトーク” 「好きなカメラの話がたっぷりできてうれしかったです」 (M-ON!Press(エムオンプレス)) - Yahoo!ニュース

*8:2014年6月当時。

吉本新喜劇のメディア配信について考える

 9年ぶりの開催となった『吉本新喜劇全国ツアー2018』も終わり、夏真っ盛りの時期となりました。

 

 さて近年全国的にその名前が知られるようになった吉本新喜劇ですが、なんばグランド花月の本公演で行われる新喜劇は原則、テレビカメラによる収録が行われています。そこで収録された映像は、どのような形で放送されるのでしょうか。

この記事では吉本新喜劇におけるメディア配信の在り方について考えてみたいと思います。

 

 

吉本新喜劇の収録・放送を担当している毎日放送(MBS)。

 

 

 

 

 

 

17ものテレビ局が公演の模様を放送 ーインターネット配信もー

 毎日放送(MBS)が近畿広域圏を対象に放送している『よしもと新喜劇』は今から56年前の1962(昭和37)年9月からその放送が始まりました*1。 

 

現在『よしもと新喜劇』を定期的に放送しているテレビ局は毎日放送以外、合わせて17局あり、20の都道県を対象にオンエアされています*2

 

また鳥取県島根県を放送対象地域とする山陰放送富山県を放送対象地域とするチューリップテレビにおいて不定期放送が行われているほか*3岩手県を放送対象地域とするIBC岩手放送においてテスト放送とみられる『よしもと新喜劇』を新喜劇タイムズが独自に確認しています*4。 

 

 

 

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※2018年8月20日現在。

 

 

この他ケーブルテレビのGAORAでは木曜の午前10時から全国の契約者を対象に放送を行ったり、最近では民放公式テレビポータルサイトTVer(ティーバー)』にてパソコンやスマートフォンなどから内容に遅れはありますが一定期間無料で『よしもと新喜劇』を視聴する事が出来るようになっています。

 

さらに、有料ではあるものの毎日放送(MBS)の動画配信サービス『MBS動画イズム』にて過去の放送回を何度も見る事が出来たり、スマートフォンアプリ『大阪チャンネル』でも配信が行われるなど視聴方法の在り方は多様化し、見ることが出来る地域の境界線は徐々に無くなりつつあります。

 

 

テレビ離れが進む中、民放各局は急速な視聴方法の変化に対応する為にコンテンツ配信サービスの多様化を進めている。

 

 

 

 

 

 

違法アップロードの蔓延

 『よしもと新喜劇』の配信方法が多様化する中で、問題は起こらないのでしょうか。

 

その一番の問題点として挙げられるのが、違法アップロードへの対処です。

現在、テレビ番組の動画をインターネット上にアップロードした場合、著作権法違反により10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(もしくはその両方)が課せられ、処罰を行う事が出来るようになっています。

 

しかしそれでも、YouTubeなどの動画サイト上にはソフトウェアを使って違法にアップロードされたとみられる『よしもと新喜劇』の動画が多数掲載されているなど問題解決への道のりは依然遠いままです。

 

 

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YouTube上で「よしもと新喜劇」と検索すると、過去に放送された回から最新回まで多数の動画が検索結果として表示される。

 

 

 

ただテレビで放送される『よしもと新喜劇』は近畿広域圏を除きTVerも含め全てのTV局において、放送される回に遅れが生じる形となっています。そのため、動画サイトに掲載される最新回の動画が遠地の新喜劇ファンにとって”新たな情報源”として役割を担っているという側面もあります。

 

これについては配信期間の変更や内容の更新頻度を速めるなど、公式配信サービスの質向上に向けた新たな課題として議論されるべきでしょう。

 

 

 

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日本民間放送連盟(民放連)が2015年から行っている「放送番組の違法配信撲滅キャンペーン」。2018年現在も俳優の遠藤憲一さんが出演する啓発CMが定期的に放送されている。

JBA (The Japan Commercial Broadcasters Association) 

 

 

 

 

 

 

”潜在する需要”の掘り起こしに向けて

 序盤でもお伝えしたように『よしもと新喜劇』の視聴方法の在り方は急速に多様化しており、テレビ業界はその視聴環境の変化に対し迅速な対応を迫られています。

 

外国のテレビ局では以前から動画配信サービスが行われてきましたが、日本もようやくここ2、3年でその波に乗りつつあります。

 

吉本新喜劇が”関西のもの”から全国的にその知名度を上げていく中で、いかに多様な方法で新喜劇ファンを増やしていくか。その目標達成に向けた動きはこれからも続いていきます。

 

 

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MBS

*1:よしもと新喜劇 - Wikipedia

*2:但しRKB毎日放送は福岡県を放送対象地域としているものの、電波は隣の佐賀県でも全域において受信可能な為、実際は佐賀県も『よしもと新喜劇』がオンエアされる地域に含まれる。

*3:山陰放送における最新放送回:2018年8月26日(日) 14:00~15:00、チューリップテレビにおける最新放送回:2018年8月23日(木) 14:58~16:50 ※2本立て、いずれも記事公開時のもの。

*4:2018年8月25日(土) 16:00~17:00、IBC岩手放送のホームページ内にある番組表より確認。