新喜劇タイムズ

吉本新喜劇についていろいろ考えるブログです。

【談話】名声には首尾一貫した責任を持たなければならない

 巨大芸能事務所の社会に対する無責任の精神を露呈する事態が再び起こった。

 

 6月6日(木)、産経新聞朝日新聞の大手新聞社を筆頭にデイリースポーツ、スポニチ、スポーツ報知などの各メディアが一斉にお笑いコンビ『カラテカ』の入江慎也についての問題行動を報じた。

 

これらの報道によると、その問題行動は『カラテカ』の入江慎也が2014年12月に大規模振り込め詐欺グループの忘年会に出席した上で仲介役を引き受け、そしてこの忘年会出席が芸能事務所を通さず直接収入を受け取る「闇営業」であったというものである。

また、この忘年会には『カラテカ』の入江慎也の他に雨上がり決死隊宮迫博之レイザーラモンHGロンドンブーツ1号2号田村亮ガリットチュウ・福島善成をはじめとするメンバーも出席していた事が明らかになっている。

 

この問題行動に対し、吉本興業は6月4日付で「吉本興業および所属芸人のブランドを著しく傷つけた」「どのような形であれ、反社会的勢力と関係を持つことは社会的に許されない」として『カラテカ』の入江慎也との契約を解消する措置を取った。

 

 

 しかし、この処分における不均衡について国民の間で大きな疑問が生じている事実から目を背けてはならない。

今回の忘年会出席においては『カラテカ』の入江慎也をはじめ出席していたメンバーが口を揃えて「相手の素性については知らなかった」「金銭の授受は無かった」と話しているが、それでも重大な違反行為を行った事実を変えることは出来ない。

にもかかわらず、主導者である『カラテカ』の入江慎也には契約解消という最も厳しい処分を下したのに対し、同席していたメンバーに対しては厳重注意という事実上この警告をもってお咎め無しとする、国民の理解を逸脱した奇行を演じることとなった。

 

この状況は裏を返せば、テレビ界への甚大な影響力を持つ人物はたとえ悪質な行為を行ったとしてもその影響力の下に手厚い庇護を運営側から受け、そうでない人物は悪質な行為に対して世間の納得を得そうなそれらしい処分を受けるという時代錯誤にも程がある呆れた運営体制が吉本興業内で依然として継続している現実を改めて示すものとなった。

これは吉本興業が社会に向けて十分な責任を今後も果たしていく意思がないと公式に宣言することに他ならない。

 

今回の問題行動に対する措置が不十分だったことにより世間の吉本興業に対する不信感はより一層増幅され、その怒りはますます沸点に近づいている。

 

吉本興業は国民の寛大な精神には限界があることを一秒たりとも忘れてはならない。

 

                                  令和元(2019)年6月11日

 

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友好の情で結ばれた吉本新喜劇の2018年

2018年の吉本新喜劇は歴史的な融和ムードに包まれた。

 

 

 昨年(2017年)12月のなんばグランド花月リニューアルオープンを記念する公演において内場勝則座長・辻本茂雄座長が本公演において7年ぶりの共演、そして毎年恒例のお正月スペシャルに辻本茂雄座長が3年ぶりの出演という熱気に包まれる中での2018年の幕開けであった。

 

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 今年はまもなく控える吉本新喜劇旗揚げ60周年に向けた動きが起こった。3月から6月にかけて吉本新喜劇小籔千豊・川畑泰史・すっちー・酒井藍の4人が揃って全国各地をまわって公演するツアーが実施されたのだ。この動きについて、近年の「4座長」を強く推す運営側による一連の動きと関連して否定的な反応を示すファンが依然として多く出てくる状況が続いた。

しかし、このツアーは決して悪い事だけをもたらしたのではない。4座長と一部のメンバーが一時的に不在になる事で、残りのメンバー同士による新たな交流を行う機会が増えた事に加え、内場勝則座長・辻本茂雄座長による本公演への注目度がより一層高まったのである。

 

そして、この人物に関しても大きな動きが二つあった。次期座長候補の一人である清水けんじである。

 

 

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 一つはリーダー週の復活である。2014年を最後に行われなくなった彼のリーダー週は4月に座長の負担を軽減する形で復活した。ところがこの動きはツアー開催による一時的な措置ではない事が後に明らかになった。清水けんじによるリーダー週は一定期間の休止を挟みながら12月まで概ね途絶える事なく続いてきたのである。これは、運営側が彼を次期座長候補の一人として再び育てるという意思表示が改めて明確に示されたものとして受け止める事が出来る。ファンの方々にとって、また新たな明るい希望を抱く喜ばしい出来事となった。

 

 もう一つは辻本茂雄座長との共演である。下図は2018年の清水けんじの出演履歴をまとめたものである(リーダー週を除く)。

 

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この図を見ると彼はこの一年の間、実に11週にわたって辻本茂雄座長と共演している事が分かる。清水けんじ辻本茂雄座長の共演は特別公演を除けば、2014年11月以来一切共演する機会がなかった。ところが今年の吉本新喜劇全国ツアーの開催による残りのメンバー同士による新たな交流を行う機会の中で、二人は実に3年4ヶ月ぶりに“再会”したのである。この二人による意義深い共演は、吉本新喜劇旗揚げ60周年に向けてさらに多くの歓喜を巻き起こす事になるだろう。

 

 

 

 吉本新喜劇にとって節目の年となる2019年はもうすぐ始まる。ファンの方々はもちろん、新喜劇座員一人一人にとっても笑顔溢れる楽しい一年となる事を願ってやまない。

 

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                                平成30(2018)年12月31日

【論評】若年層アピールに余念なし、背景に少子化

吉本新喜劇が来年60周年を迎えるにあたって、新座員の募集を開始した。

 

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上記の通り、名前は『吉本新喜劇座員全国オーディション』。全国からの応募をより強く意識したネーミングである。しかし吉本新喜劇では今年4月に「金の卵10個目」として新座員10人が入団したばかりである。ここまでして頻繁に募集をかけるのには何か特別な事情があるような気がしてならない。

 

 

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今年(2018年)4月に入団した「金の卵10個目」のメンバー達10人。

 

 

下の図は吉本新喜劇座員を男女別・年齢別に示した“人口ピラミッド”である。

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※2018年11月25日現在。対象は新喜劇座員のうち年齢が確認できる101人。

Ⓒ新喜劇タイムズ

 

男性座員は30代で最も多く、次いで40代、20代となっており女性も30代が最も人数が多いことが分かる。しかし新喜劇を支えている中心の世代は30代であるが、座員の知名度に至っては40代かそれ以上の世代であるのが現実である。こうした状況から退団する若手座員が出ることが珍しくない。

 

 

以前新喜劇タイムズでは退団者の続出は厳しさだけの問題なのかについて取り上げたが、それ以上の問題が今後の吉本新喜劇において発生する可能性がある。

 

 

日本では現在、急速に人口が減少し続けている。総務省統計局が発表した今年(2018)111日現在の総人口(概算値)は、12645万人で前年の同じ月に比べて27万人も減少している事が明らかになった*1。加えて15歳未満の子どもの数は1541万人、人口比率は12.2%(2018111日現在《概算値》)となっている*2。また厚生労働省が発表した昨年(2017)の人口動態統計の中で、2017年の出生数が941000(推計)である事を明らかにしている*3

 

ただこの赤ちゃんが全員無事に成人するかどうかは分からない。事故や病気あるいは自殺などによって人数にどれくらいの変化が生じるかは不透明である。いずれにせよ20年後にはこの94万人をめぐって吉本新喜劇は数多くの企業とともにメンバー獲得に向けて競争しなくてはならないという事になる。

 

しかしそれでは当然吉本新喜劇を維持出来なくなる可能性が高くなってしまう。そこで早いうちから新座員を一人でも多く募集して、より長くこの吉本新喜劇を続けられるようにするというのが今回の募集の目的であるように思う。

 

募集の対象年齢は18歳以上ではあるが40代・50代以上の人が今やっている仕事を辞めて、かなりのエネルギーを要するこの仕事にわざわざ飛び込んで参加するというのは考えにくい。また吉本新喜劇は日本における常識や笑いのスタイルをベースにしている以上外国人がこれに関心を持つ可能性は低いとみられる。となると、この募集のターゲットは日本人の20代・30代を中心とした若年層という事になる。

 

 

ベテラン勢の高齢化が進む中、若手座員の積極的な起用がなかなか進まないなど依然として課題は山積している。募集して多くの若い人たちに夢を与える事は非常に素晴らしいものではあるが、入団後の新座員の後押しを現役座員・裏方スタッフ・そして運営側が上手く連携出来るようにする事が何よりも大事なのではないだろうか。

 

 

                            平成30(2018)1125

新喜劇における新たな表現の在り方とは

 吉本新喜劇は来年(2019年)、旗揚げから60年の節目を迎えます。

 

吉本新喜劇はこれまでたくさんの座長によって、多種多様な舞台が繰り広げられてきました。

吉本新喜劇がこれからも続いていく為に、舞台における表現はこれから先どのように変わっていくべきなのでしょうか。

 

 

 

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新喜劇×ダンスの”エンターテイメント型新喜劇”

 吉本新喜劇は「漫才芝居」と呼ばれるように、漫才を概ね舞台にするような形で登場人物たちがとにかく滑稽な事ばかりを繰り広げるというものでこの流れは現在に至るまで続いています。

 

 

しかし最近の新喜劇では少しずつその内容に変化が生じてきています。

今から4年前の2014年、高井俊彦さんが『踊る新喜劇』というイベントを開催しました。これは新喜劇の舞台の中で本格的なダンスを披露するという当時としては非常に画期的な内容が取り入れられました。

このイベントは2014年に合わせて3回開催され、吉本新喜劇における新たな表現の領域を切り開く事になりました。 

 

 

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記念すべき第1回の『踊る新喜劇』のポスター。「SHINKIGEKI SIDE STORY」と名付けられたタイトルはアメリカのミュージカル『ウエスト・サイド物語』に由来している。加えてその『ウエスト・サイド物語』の「ウエスト・サイド」は高井俊彦自身がかつて所属していたダンスユニット『WEST SIDE』の名前でもあり、一種の言葉遊びになっている。

 

 

その後、こうした形での新喜劇の舞台活動は一旦沈静化する事になります。

 

しかし翌2015年になって、新喜劇×ダンスという新たな表現を備えた舞台は別の形で再び動き出す事になります。それは、お笑いコンビ『水玉れっぷう隊』のメンバーとしても活躍するアキさんの吉本新喜劇への入団です。

 

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「いいよぉ~」や「そういう時期でしょ」などのギャグで知られるアキさんは入団直後から辻本茂雄座長の舞台に出演しその人気を得ましたが、同時にアキさん自身が主役となってプロデュースする舞台『Joy!Joy!エンタメ新喜劇』を開催するようになりました。

 

この舞台の魅力は、何といってもキレキレなダンスの数々。アキさん自身によるものに加え、他のダンサーたちが繰り広げるパフォーマンスは圧巻です。

 

『Joy!Joy!エンタメ新喜劇』は2015年11月になんばグランド花月で初公演を行って以来なんばグランド花月で合わせて7回開催され*1、幅広い世代に愛される人気イベントへと成長しています。 

 

「新喜劇×ダンス」というこれまでになかった新しい組み合わせが多くの観客を魅了し、その心に響いたのです。

 

 

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チアリーダーのちあきやスパッツおじさんなどのキャラクターも登場する『Joy!Joy!エンタメ新喜劇』。新喜劇×ダンスというこれまでにない斬新な組み合わせは、多くの人々の関心を呼んでいる。

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吉本新喜劇における歌

 吉本新喜劇では「歌ネタ」と呼ばれる、歌を使ったギャグの一種が劇中で披露される事があります。しかしその時間は長くてもせいぜい数十秒程度で、数分にも及ぶ本格的なものではありません。

 

ただ2016年7月に行われた『松浦真也吉本新喜劇2026』では一部の出演者が”歌手”として登場し、劇中で本格的に歌を歌うという試みがなされています。

 

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もし吉本新喜劇の舞台の中で本格的な歌唱シーンを入れるとした場合、一体どれくらいの長さが適当なのでしょうか。

 

 

アメリカのニュースサイト『VOX』に2015年に掲載された記事によると、ヒット・ソングの長さは概ね3~5分程度であるというデータが明らかになっています。 

 

 

 

また新喜劇タイムズが参考として、映画『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)で使われる歌の入った楽曲が映画の上映時間のうちどれくらいの比率を占めるのか調べてみたところ、上映時間174分に対して使われた歌入りの楽曲は19曲、時間は約43分、率にして24.7%という結果が出ました。

 

吉本新喜劇の舞台は概ね45~50分程度の時間で上演されるので、先程出た比率の数値を当てはめてみると11あるいは12分ということになります。 

 

これを踏まえると吉本新喜劇の舞台の中で本格的な歌唱シーンを入れるとした場合、内容など様々な事柄を総合すると、最長で10分程度が妥当といえます。1曲の長さが3分とすると3曲が、5分とすると2曲が入る計算になります。

 

本格的な歌唱シーンを入れるとなれば、座長は内容に合う曲をどれにするか・どのタイミングで流すか・誰が歌うのかを決める作業が新たに加わってきます。さらに、もしオリジナル曲を使うとなった場合は先程挙げた作業に加えて、作詞作曲も行うという非常に難易度の高い作業をこなさなければいけません。

 

 

60年の歴史において前例のない吉本新喜劇の新たな形。果たして、これを物にする座長は現れるのでしょうか。

 

 

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”違う姿”を見せること

 吉本新喜劇では過去に『エクスタシー大阪』という曲を1996年にリリースしており、当時ニューリーダーとして活躍していた内場勝則座長・辻本茂雄座長・石田靖さんのほか、スター座員による歌声を聞く事が出来ます。

 

特に内場勝則座長・辻本茂雄座長の歌唱力のレベルの高さはファンの間で広く認知されており、語り草の一つになっています。

 

 

ただ最近は、歌などの他分野での活動をする機会がほとんど無い為、こうした”これまでと違う姿”が公になる事はほとんどありません。一方で人々の趣向は変化を続けており、これまでのコテコテを前面に押し出す方法一辺倒では今後の状況によっては集客に影響が出る可能性があります。

 

そうならない為にもこれまでの方法に加えて、吉本新喜劇における新たな分野の開拓を積極的に推進し、若手座員たちの新たな魅力を引き出し、現在に至るまで長く浸透してきたイメージを変えていく必要があるのではないでしょうか。

 

吉本新喜劇がこれからも続いていく為にはどうすれば良いのか。新たな表現の模索は続きます。

 

 

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*1:昨年(2017年)4月には、東京・新宿のルミネtheよしもとで初となる東京公演を行っています。

若手座員達の今後在るべき姿とは

 吉本新喜劇の舞台を通して、日々技術を磨き上げていく若手座員たち。

 

吉本新喜劇がそれぞれの劇場で毎日無事公演されているのも、この若手座員たちがいるからという側面も忘れてはいけないと思います。

 

そんな若手座員たちの姿は、今後どう在るべきなのでしょうか。

 

 

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”スター座員休演”の衝撃

 今年4月12日(木)、吉田裕さんが前日の11日に肝膿瘍の手術を受け入院していた事がインターネットメディアなどによって明らかになりました。「吉本新喜劇全国ツアー2018」がスタートしてから4週間後のことでした。

 

手術翌日の4月12日から約1ヶ月にわたって入院した吉田裕さん。全国ツアーにも出演していたため、出演者たちの対応が注目された。

 

 

裕さんがこうした形で休演するのは今回が初めて。「吉本新喜劇全国ツアー2018」の出演者は突然の出来事に対応を迫られました。

 

その後、裕さんの休演後初めて行われた4月21日(土)の「吉本新喜劇全国ツアー2018」沖縄公演からは出演者を新たに1名追加し、裕さんの代役を同じ金の卵1個目の太田芳伸さん(写真中央の男性)が務める形で公演を継続。

復帰後初の舞台となった6月1日(金)の和歌山公演からは太田さんと共に”W乳首ドリル”を披露する流れとなりました。

 

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 この出来事について全国ツアー終了後の6月16日(土)にMBSでオンエアされた『よしもと新喜劇』では、「吉田裕の不在をも笑いに変えてしまう吉本新喜劇のメンバー達」とのナレーションが密着取材VTRの中で流れ、その対応を賞賛しています。

 

 

しかし、今回のようなケースは他の新喜劇座員においても十分起こり得る話です。果たして今回と同じような事が再び起こった時に、事の経過は全て”美談”として処理されてしまうのか。この点については少し疑問に感じます。 

 

 

 

 

 

若手座員の仕事は?

 いざ人気者となれば膨大な数の公演に出演する事になる吉本新喜劇の若手座員ですが、そんな彼らの仕事には一体どんなものがあるのでしょうか。

仕事内容について簡単に挙げてみると次の通りになります。

 

 

 実は意外にもこれほど多くの量の仕事を若手座員たちはこなしているのです。特に近年は奈良健康ランド新喜劇やよしもと漫才劇場で公演される『極新喜劇』など若手座員が活躍する為の場が拡充されましたが、その分仕事量も増加する傾向にあります。

 

 

こうした状況の中で若手座員たちの健康面は問題にならないのでしょうか。現在吉本新喜劇座員の健康面やスケジュールを管理する為のマネージャーは少なく、マネージャー一人に対し複数の座員のスケジュール管理などを背負っているということが珍しくありません。

 

 

今回と同じような事態が起きた時に、ふさわしい代役を即座に充てるなど迅速な対応が果たして出来るのか。若手座員たちのこれからの活躍のためにも、座員たちの仕事面そして彼らを支えるバックヤード双方の面において改善を図る必要があるのではないでしょうか。

 

 

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若手座員たちの努力の歴史

 吉本新喜劇では2005年の金の卵オーディション第1個目を皮切りに、新たな若手座員を募集する際は原則オーディションによる選考を行っています。 

 

 

 

オーディションによって選ばれたメンバーは入団して数ヶ月後、「金の卵ライブ」と呼ばれるいわばお披露目公演を行います。しかし運営側から積極的に活躍する為の場を与えられたとはいえ、注目される事がほとんど無いなどその道のりは大変険しいものでした。

 

 

そんな状況の中で転機が訪れたのは今から6年前の2012年のことでした。 

吉本興業はこの年に創業100周年を迎え、これを機に様々なプロジェクトが行われるようになりました。

 

その一環として行われるようになったのが『吉本新喜劇202◯』と呼ばれるイベントです。これはイベントが開催される年から10年後の吉本新喜劇がさらに盛り上がる事を願って、若手座員たちによる新喜劇を行うというものです。

このイベントは2012年に行われた夜公演『なんばグランド花月2022』から始まりました。

 

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その後は年が変わる毎に『吉本新喜劇2023』『吉本新喜劇2024』とタイトルを変えて公演が続けられましたが、この時はまだ本公演とほぼ同じ形態で行われていました。

 

2015年には『吉本新喜劇2025』として単独イベントに昇格。翌2016年に行われた『吉本新喜劇2026』では各リーダーによる新喜劇の中で一番観客が多かったのは誰かを決めるトーナメント形式の公演を行うなど、休止期間を挟みながら今年(2018年)の『吉本新喜劇2028』に至るまで若手座員たちによる様々な公演を行っています。

 

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2013年に行われた『吉本新喜劇2023』。この時はまだ本公演とほぼ同じ形態で公演されていた。

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吉本新喜劇2028』のチラシ。かつて行われた『吉本新喜劇2025』では新喜劇の終了後にミニコーナーが設けられていたが、現在はエンドトークを実施するのみとなっている。

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このようにたくさんのイベントを通して時間をかけながらスキルを磨き上げてきた新喜劇の若手座員たち。大々的に宣伝される事があまりないので、こうしたイベントの存在を知らないという方も多いと思います。

若手座員たちによる公演は今後も随時行われますので、是非興味を持っていただければと思います。 

 

 

 

 

 

 

少子化が進む中で…。

 現在、オーディションを経て入団される方のほとんどが20代あるいは30代という吉本新喜劇。急速に少子化が進む中で今後一定数の座員を確保できるのか、吉本新喜劇の存続に関わる重要な問題として議論しなければならなくなる日はそう遠くはありません。

 

日本の芸能産業は今後少子化に伴って国内市場が縮小し、その有り様も大きく変化するのではないかといわれています。

 

 

注目される事がなかなか無い若手座員たちが、吉本新喜劇の舞台を滞りなく行う上でどれほど重要な存在であるか。公演を鑑賞する中で一人でも多くの方に感じてもらいたいと思います。

 

 

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*1:奈良健康ランドは1987年(昭和62年)にオープンし、吉本新喜劇の舞台は2012年(平成24年)から行われています。